クラシックのピアノ曲入門として、19世紀後半のフランス近代の作曲家をお薦めしていますが、ドビュッシーはまさに定番。その革新的な和声法は、アントニオ・カルロス・ジョビンにも影響を与えた(つまりボサ・ノヴァの遠いルーツ)とされます。冒頭の音の流れが美しい06「アラベスク 第1番」。その楽譜を見ると音符がぎっしり、しかし流麗。どことなく物憂げなワルツ14「レントより遅く」。幻想的な05「夢」。月明かりに咲く花のように静謐な03「月の光」。愛娘に捧げたユーモラス「子供の領分」は楽しげに。どこかくぐもったような録音(53年モノラル録音)が不思議な感覚を呼び起こす、ギーゼキングの演奏で。
クロード・ドビュッシー(1862-1918):
ベルガマスク組曲
01. I. プレリュード
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02. II. メヌエット
03. III. 月の光
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04. IV. パスピエ
05. 夢
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06. アラベスク 第1番 ホ長調
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07. アラベスク 第2番 ト長調
子供の領分
08. I. グラドゥス・アド・パルナッスム博士
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09. II. 象の子守歌
10. III. 人形へのセレナード
11. IV. 雪は踊る
12. V. 小さな羊飼い
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13. VI. ゴリウォーグのケークウォーク
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14. レントより遅く
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15. よろこびの島
ワルター・ギーゼキング(ピアノ)
録音:1953/51年(モノラル録音)