アルバムのタイトル、そして曲名から想像するのは、彼の記憶が綴られた作品だということ。おぼろげで美しい思い出。死が分かつこと。そういった数々が横たわっている。それが人の生き方なのだと、柔らかなピアノのサウンドで語りかけてくる。テーマ自体は重めであるものの、そのメロディは優しい。
ブックレット内には各曲のモチーフとなった…例えばラジオであったりYAMAHAのシンセサイザーRX11(彼が過ごした1980年代を象徴する楽器としてシンセはこの作品でも重要な役割を果たしている)であったり、「RVから聞こえるロキシー・ミュージック」の車などのイラストが描かれている。ドイツ人音楽家、Tim Linghaus(ティム・リングハウス)の2018年ファースト・フル・アルバム。思い出を振り返るように聴きたい1枚。
i. disappear
01. Looking For Dad In Radio Noise
02. Coming Home From Graduation, Pt. I (Yearbook)
03. Drive Me Somewhere Nice
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04. Crossing Bornholmer
ii. before
05. Into The Darker Architecture Of Yours
♪
06. C In Schoenhauser
07. RX
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08. Me In Your Rear-View Mirror (Boys Don't Cry)
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iii. icarius
09. D(e)ad Eyes
10. Grandma's Deathbed, Pt. V (Roxy Music In The RV)
11. Funeral For Dad, Pt. II (It Was Nice To Have Known You)
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12. We Will Never Come Back Here Again (Lament)
iv. regret
13. Adventure Park
14. Song For S
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15. I Was Atoms And Waves
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16. You In Our Rear-View Mirror (Cemetery Car Park)
total playing time: 32:38
深みのある色味の見開き紙ジャケットには紙質にもこだわった糸綴じのブックレットが挿入されています。