人が集うところで音楽は発展してゆきます。そして楽器も。このアルバムの主役であるリードオルガン(足踏みオルガン)は主に教会や学校で使われ広まりました。日本に入ってきたのは明治初期の話です。
キリスト教音楽院でリードオルガンの講師を務める伊藤園子は、リードオルガン修理の第一人者である夫・伊藤信夫とともに修理、保存、演奏会、演奏法の伝授といった活動を行なっている、国内でも稀有な存在です。その演奏に触れたARAKI Shinが全面的なプロデュースを買って出、あまり見かけることのないリードオルガン独奏によるアルバムが作られました。
リードオルガンの音はハーモニカやアコーディオンと同じく板状の発音機であるリードに空気を送り込んで振動させ、楽器本体と共鳴させることで生まれます。それはまるで大きな生き物がゆったりと呼吸をしているかのよう。録音に使われた楽器は100年も前に作られたもので、年月を経ることによって生まれる響きの年輪のような深みが感じられます。賛美歌を中心とした選曲はノスタルジックな感傷とともに心を安らげることでしょう。人とともに歩んできた楽器の、人のすぐそばにあるべき音色。クリスマス・シーズンのBGMにも是非。
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Sonoko Ito REED ORGAN HYMNS Special web site
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ARAKI Shin関連作品一覧
01. VENI, VENI, EMMANUEL 久しく待ちにし
02. MACHT HOCH DIE TÜR 高く戸を上げよ
03. NUN KOMM, DER HEIDEN HEILAND いまこそ来ませ
04. NATIVITY CAROL 降誕のキャロル
05. HODIE CHRISTUS NATUS EST この日主うまれましぬ
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06. THREE KINGS OF ORIENT われらはきたりぬ
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07. O DASS ICH TAUSEND ZUNGEN HÄTTE 父と子と聖霊の
08. MELODY メロディ
09. OFFRANDE 捧げもの
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10. HERZLICH TUT MICH VERLANGEN 血しおたたる
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11. DEO GRACIAS (AGINCOURT) 深い愛により
12. AGNUS DEI (CUM JUBILO) 世の罪をのぞく
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13. KING'S LYNN 主よ、わが叫び
14. ARGENTINA (SOSA) 恐れを捨て去り
15. VICTIMAE PASCHALI われらのすぎこし
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16. SHELDONIAN 聖霊の力にあふれ
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17. BEATA NOBIS GAUDIA よろこびことほげ
18. DECATUR PLACE ほめよ主を
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19. HERR GOTT, DICH LOBEN よろずのくにびと
total playing time: 38:15