「私の娘ロージーは、私の父が亡くなる5日前に産まれました。」――ジャケット内にあるジャッキー・オーツのコメントはこんな文章で始まっています。喜びと悲しみが同時にやってきた、その出来事がこのアルバムの発端となりました。そこに見える影と光。
アルバムの録音は彼女の家のキッチンで行われました。足元には小さな娘が遊んでいるような状態。家事の合間をぬった限られた時間で録音を行わなければならなかったけれど、自然と、それが自然のことのようにジャッキーは感じたのだといいます。曲を聞けば時折、ロージーと思わしき声が聞こえるときがあり(05、10など)、なんと微笑ましい録音なのだろうと感じさせます。
「新しいおもちゃ」とツイートしていたベントレーのピアノ(いい音!)や、テーブルに乗った録音機材。和やかな録音風景のイラストがジャケットやブックレットに描かれていますが、ブックレットの最後に写ったジャッキーのポートレイトには、ベビーカーで安らかな寝顔を見せている娘の姿が写り込んでいます。父が好きだった伝統曲に、ウィリアム・バードの曲とジョン・レノンが並ぶ選曲。悲しみや不安は愛情によって稀薄になってゆき、希望という色彩が残るのです。それは淡いピンクなのかもしれませんね。
01. Freedom Come All Ye
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02. Spring Is Coming Soon
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03. Mother / Spring Is Coming Soon Reprise
04. Virginny
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05. Rosy Apple
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06. The Joy of Living
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07. My Shoes Are Made of Spanish
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08. Unicorns
09. Nay Ivy Nay
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10. Catch Me If You Can
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11. The Bird
12. Hey Ho, to the Greenwood
13. Constellations
14. Sweet Farewell
15. The Last Trip Home
16. Rolling Home
total playing time: 54:33