1973年パリ生まれのギタリスト、フィリップ・ムラトグルーによる、バルセロナ出身の作曲家フェルナンド・ソル(1778-1839)作品集。ソルが残したギター作品は練習曲を含め、後世へ多大な影響を及ぼしたのですが、彼が生きていた当時ギターとは酒場で演奏されるような楽器の類であり高尚なものとはみなされておらず、そういった意味でも偉大な作曲家と言えます。代表曲01「モーツァルトの『魔笛』の主題による変奏曲」の他、05「静けさ」や11「アンダンテ・ラルゴ〜6つの小品から」といった静謐な作品と、素朴な練習曲で構成。フランス軍のスペイン侵略もあり、後年パリに居を構えたソル。その時のギター音楽への功績が今の再評価にもつながったことから、こうしてフランス人ギタリストによる作品集が作られるのも趣があるのでは。ムラトグルーの演奏は身のこなしが軽やか、といった印象。19世紀スペインの風景画や人物画がふんだんに盛り込まれた36ページの美しいカラーブックレット(解説はフランス語)が付いた豪華な装丁となっています。
01. Variations sur "O Cara Armonia" de W. A. Mozart, Op. 9
♪
02. Étude, Op.29 No. 21
♪
03. Étude, Op. 6 No. 9
04. Étude, Op. 6 No. 7
♪
05. Le calme, Op. 50
♪
06. Étude, Op. 35 No. 17
07. Grand solo, Op. 14
08. Étude, Op. 29 No. 16
09. Étude, Op. 31 No. 20
10. Étude, Op. 6 No. 10
♪
11. Andante largo, Op. 5
♪
total playing time: 53:31