ケージやフェルドマンからの影響を受け、極端に音数を減らしたり静かで生々しくあることを至上とするヴァンデルヴァイザー楽派と呼ばれる作曲家陣。その中でも比較的聴きやすくまた詩的であるとも言えるスイス人作曲家ユルグ・フレイのピアノ作品集です。リリースはイギリスを拠点とするAnother Timbreから。時間の流れが一定であるように、淡々とあるいは遅々として等間隔で刻まれる音の連なりが続きます。しかし旋律が単調であると感じられつつも、決して繰り返しではなく、それゆえに音は意識の上と下とを行き来するような瞑想的な存在となります。一見、不可思議だと感じつつも、逃避ではなく現実感があるところがユルグ・フレイの音楽であり、どこまでも続く「現実感のある静寂」が描かれているとも言えるのではないでしょうか。
Jürg Frey (1953-):
01. In Memoriam Cornelius Cardew
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02. Circular Music No.5
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03. Extended Circular Music No.2
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04. Pianist, Alone (2)
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05. Miniature in Five Parts
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06. Extended Circular Music No.9
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Philip Thomas (piano)
録音:2015年
total playing time: 77:33
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Another Timbre作品ページ(2曲Youtubeにリンクあり)