雨と休日について

- 雨と休日ができるまで

雨と休日は、「穏やかな音楽を集める」というコンセプトでセレクトされたCDの専門店です。CDを売る、ということを真剣に考えた末にできたのが、このお店です。

雨と休日の店主、寺田は、10年間大手CDショップに勤めていました。そこでは毎週何十枚と発売される新譜を右から左へ流れ作業のようにこなす日々が続きました。

ある日、すでに何十枚と売っている商品について熱く語るお客様に出会いました。「このアルバムのここが良いんですよね。」と語るお客様に対し、店主はそのアルバムの内容についてそこまで詳しく知らない、ということに気づきました。それなりに良いと思っているアルバムでもうすでに何十枚と売っているにも関わらず…。

その時から「責任を持ってCDを売る、ということはどういうことだろう」と考えるようになりました。CDはプラスチックと紙と少しの金属でできた代物ですが、ひとつひとつが単なる「商品」ではなく「作品」なのだと、当たり前のことをあらためて思い知ったのです。

CDを販売する商売として理想とはどういうものだろう。扱う作品の全てについて、十分な知識を持っているべきであるし、正当な評価と正当な価格で一枚一枚を丁寧に紹介すべきであると考えました。

その理想を現実のものにするためには品数を厳選した、小さなお店でなければならないと考えました。そして、CDショップはエンターテインメントだと考えます。お店に来て「楽しい」「ここにずっと居たい」と思わせるものでなくてはいけない。ではどうやって小さく魅力的なお店にしようか…。そう考えたときに「穏やかな音楽」というコンセプトを思いつきました。

- 雨と休日が提案する音楽の聴き方、在り方

雨と休日が提案する音楽の聴き方は、まず、聴く人の生活ありき、だと考えます。

そして聴く人の気分。そこを大事にしたいと考えます。

人それぞれの生活の中に寄り添い、彩りを加える質の高い音楽を紹介したい。その想いを形にするために、このお店を作ることを決めました。

小さなお店だからできること。

全ての商品は試聴ができ、(メーカー側が用意したものではない)コメントを付けます。

ジャンルで区切らず、横に広がった音楽の繋がり、楽しさを提供するなど、一般的なCDショップとは違った細かな配慮をもった提案ができるよう努めております。

店名は、よくある「〜レコード」といったものではなく、雨の日や休みの日にゆっくりと聴きたい音楽を、という思いから「雨と休日」としました。

音楽に詳しくないけれど、自分に似合った音楽を知りたいという方へ開けていけるようなお店。それでいて、音楽好きの方にも刺激を与えられる本格的な音楽のお店。目指すところはそこにあります。

- 商品のセレクトについて

取扱商品は国内/輸入のCDと一部書籍です。すべて新品となります。アナログレコード、カセットテープ等は販売しておりません。(これも時代の流れでして実店舗のみといった一部限定的にレコードやテープを販売し始めております)

全ての作品は店主/寺田が聴き込み、責任を持ってお薦めできるものだけを取扱っております。

作品はジャンルではなく【day】【night】【rain】【book】 といったカテゴリーに分別。もちろんこれは主観的なもので、どの作品をいつ聴くかはリスナーの自由であると考えます。それ以外に【テーマ】として様々なシチュエーションに合わせた紹介をしております。

商品のセレクトに関しては以下のようなポリシーを持って運営しております。

  • アルバム全体を通して統一感があり、ゆっくりと穏やかな曲調で占められていること。
  • 数曲だけが飛び抜けているのではなく、アルバム全体を楽しめるクオリティを持ったものであること。
  • 聞き流す心地よさもあれば聴き込む本格さも持っているものであること。
  • 手に取った時に喜びを感じる作りのものであること。
  • ジャケット・アートワークが秀逸なものであること。
  • 一般のCDショップでは埋もれてしまい、見つけにくいものや、ジャンルの隙間にあるようなものも積極的に紹介すること。
  • 10年後、20年後と聴き続けられるものであること。

今、CDで音楽を聴くこと。

それはアルバム1枚を通して聴いたとき初めて生まれる感動であったり、ジャケットの質感から連想される気分であると思います。

雨と休日では、そこにこだわったセレクトを心がけております。

ブログにも詳しく書いておりますのでご覧ください。 →コンセプトについて