「日本で作る楽器」を考えたとき、ヨーロッパと日本で育つ木材に違いがある事からそれは木を選ぶことから始めるのだと考え、家族とともに東京・福生から大分・山香に移り住み、古楽器と呼ばれる中世〜ルネサンス期の楽器作りに情熱を注いだ故・松本公博。工房を「カテリーナ古楽器研究所」と名付け楽器作りと演奏などの活動を続けてきました。2016年に録音した本作は、氏の早逝のため結果的にその集大成となったアルバムです。
中世から伝わる楽曲は現代のような詳細な楽譜が残っている訳ではないため様々な研究の中で解釈の範囲も広く、演奏者の考え(思い)が強く出ます。カテリーナ古楽器研究所の演奏はこれらの古い曲/歌を丁寧に摘み、日本人の耳にも馴染むように聴かせてくれます。それは彼らが作る楽器の響きに因るところも大きいのでしょう。
このように古楽器を作り演奏する集団は日本にもありますが、彼らが使用している、多くの人にとって名も知らないような弦楽器を作る者は少ないと言われます。
時代を遡りながら未来へ向かう。未知でありながら旧知である。
ヨーロッパを起源としてなおかつ日本である事。それがカテリーナ古楽器研究所の楽器作りであり、音楽。そしてその意思は息子の松本未來、そして未來とMaikaの兄妹ユニット「baobab」へと継がれているのです。
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1. SALVE FESTA DIES ~村の少女のグレゴリオ聖歌~
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2. DES OGE <第1番 最も好む事は> ~旅立ち~
3. Non Sofre SANTA MARIA <第159番 聖母マリアは盗んだ人を許し給われない>
~祭りの中に現れた街の変人~
4. AMADRE DE JHESUUCRISTO. <第302番 キリストの御母に> ~心の祈り~
5. E'DAM JOLIE ~哀しみを胸に~
6. DOUCE DAM JOLIE ~異国からの風~
7. Ductia 13c. ~爽やかな朝~
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8. Salterello14c. ~騎馬が走る~
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9. Kalenda Maya12c. <五月の唄> ~唄う水辺の少女~
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10. NAS MENTES <第29番心の内に> ~怪しげな雑踏~
11. Como Poden Par Sas Culpas <第166番 その犯した罪ゆえに>
12. DEUS TE SALVE <第40番御身に神の救いあれ> ~祈りの夜~
13. Ja Nuns hons pris <リチャード獅子神王> ~囚われの身の嘆き~
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14. Plinn ~星は巡りて~
15. BEN SAB <第179番 聖母はよくご存じ> ~終わりなき旅路~
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Kouhaku Matsumoto(中世リュート/ウード/セ・タール/ヴィエール/バンブーリコーダー/バンブーショーム/ダルブッカ/ジューズハープ)
Mirai Matsumoto(シトール/ヴィエール/パーカッション/ハーディー・ガーディー/リーガルオルガン/歌)
Teru Matsumoto(プサルタリー/マザーライアー/バンブーリコーダー)
Maika(フィデール/レベック/バンブーリコーダー/歌)
Ryota Tanaka(中世ドラム/ダルブッカ/タール/ウドゥ/鈴・鐘/カルカベ)
Minna Matsumoto( 歌-#13)
total playing time: 47:12
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カテリーナ古楽器研究所
カテリーナ古楽器研究所で製作された約20種類の管・弦・打楽器をフルに使った待望のファーストアルバムがこの度リリースされました。その多くをカンティガ集(13世紀イベリア半島で編集された単旋律の声楽曲集)の中から選曲し、12~14世紀の中世の楽曲で綴った全15曲。
さぁ、それぞれのイメージの中で、中世巡礼物語の旅へお出かけ下さい。星を巡る旅、終わりのない旅の始まりです。音で綴る音楽の旅、まるで中世スペインの巡礼道を歩んでいるかのうように物語は繰り広げられてゆきます。現代の楽器とはひと味違う古楽器の音世界をお楽しみください。(HPより抜粋)