中村祐子 / 私を連れていって

神戸市垂水区塩屋は山と海に挟まれた坂の多い町。今も異人館が点在する塩屋にある「旧グッゲンハイム邸」は1906年/明治39年頃(かつては1912年頃という説でしたが最近史料が発見)に建てられた邸宅。そこにある、建物と同じ年齢を積み重ねた山葉(YAMAHA)製リードオルガン(足踏みオルガン)を演奏するのは1961年生まれの中村祐子。

収録曲は主に20世紀の作曲家によるもので、古典的な讃美歌などとはまた違った新鮮さを持った曲集になっています。メインのリードオルガンの他に小さいベビーオルガンを弾いているのがアクセントに。足のペダルを踏んで空気を吸い込むことで弁を震わせ音を鳴らすリードオルガン。丁寧にレストアされたそれは素朴ながらも雄弁に、建物と共に呼吸するように響きます。時の流れと楽器(が産む音)の在り様を考えさせられる、何と愛おしい録音であることでしょう。

28ページのカラー・ブックレットは、リードオルガンの歴史(YAMAHAの創業者、山葉寅楠の名も)や、旧グッゲンハイム邸にリードオルガンがやって来た経緯、そのオルガンの修理(オルガン奏者・伊藤園子についても記述があります→CDこちら)、そして中村祐子本人による楽曲解説などが載った読み応えのあるものとなっています。


01. 歌(ルイ・ヴィエルヌ) ♪ 
02. ナディアへのプレリュード(ルイ・ヴィエルヌ) ♪ 
03. 或る夕べ(マルコム・アーチャー)
04. 想いを辿る(ノーマン・ウォレン) ♪ 
05. エアとガヴォット(ジョン・サンダース) ♪ 
06. いかに愛らしき(セザール・ジョフレ)
07. パストラーレ(ルイ・ヴィエルヌ)
08. 間奏曲(ルネ・ヴィエルヌ)
09. メランコリックな草原(ルイ・ヴィエルヌ) ♪ 
10. いと麗しきイエス(ヘルマン・シュレーダー) ♪ 
11. 夕日を眺めて(ハリソン・オックスリー) ♪ 
12. プレリュード・モダル(ジャン・ラングレ)

使用楽器:山葉リードオルガン 第九號形 61鍵(明治三十九年製)、山葉ベビーオルガン 第貮號雛形 49鍵(昭和三年製)
録音場所:旧グッゲンハイム邸(神戸・塩屋)
録音時期:2019年3月〜2020年5月

total playing time: 30:13


ブックレット記載テキスト:
中村祐子「風に乗せて連れていって」
小川瞳「旧グッゲンハイム邸のリードオルガンと中村さん」
森本アリ「小川さんと中村さんと旧グッゲンハイム邸のリードオルガン」
ほか、調律師小川瞳による「オルガンについて」「リードオルガンの歴史」など


中村祐子
愛知県出身。1961年、キリスト教の牧師の家庭に生まれる。6歳より、教会のオルガニストだった山村直子氏よりピアノの教育、後にリードオルガン奏法の指導を受ける。1980年、国立音楽大学 教育音楽科入学後、所属教会の礼拝奏楽奉仕を始め、奥田耕天氏にパイプオルガンの指導も受け始める。結婚後、夫の転勤により渡英。1991年から1996年までJohn Webber 氏のもとでパイプオルガンを学び、Associated Board の検定試験(オルガン)最終級までを取得。帰国後は教会での礼拝奏楽(リードオルガン)を続ける。2001年〜2012年まで北海道に居住。小樽文学館での「アンティークオルガンコンサート」「大人の為の読み聞かせ」に数回出演。


[この作品について]
当店で扱うアーティストも含めこれまでも数多くの音楽イベントを開催してきた旧グッゲンハイム邸へのコロナ禍のエイドという目的も含む本作のリリース。是非ご協力をお願いしたい所存です。(店主)


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型番 GHAP-001 国内盤/紙ジャケット仕様
価格 2,200円(税込)
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