マサチューセッツ州に住む引退した歯科医エドワード・ブランクマンが1970年代前半に無名ながらも録音していたアルバム。ケープコッドの海岸沿いにある自宅で、亡き妻ナタリーを想い余生を暮らす老人の淡い日常が描かれたような、穏やかな平和がここにある。
...というのは架空の設定。この作品はこれまで営業職をしながら、副業で映画「ミッドサマー」で日本でも大きな話題を呼んだアリ・アスター監督などと活動していた経歴を持つ音楽家ブレンダン・イーダーが、自らのアンサンブルを率い2021年に自主リリース作品として発表したアルバムです。架空の人物を仕立てたコンセプト・アルバムは珍しくありませんが、こんなにも優しい嘘とセンスに溢れたものは無かったことでしょう。ウーリッツァーのエレピや管楽器などが柔らかく響き、例えば15「Natalie」などの溢れる郷愁によってその美しい物語に連れ出されます。
ブランクマンが住んでいた家の屋根裏部屋に残されていたカセットテープの発見から、氏の日記を紐解き、レコーディングの過程などを調査した内容が生前の写真とともに記されている、という素晴らしい凝りようのライナーノーツ(対訳あり)も必読です。
01. Tuesday at the Pond
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02. Cape Cod Cottage
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03. Sunlight Through the Leaves
04. Where Else
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05. New Dreams
06. Up
07. Discovery at the Beach
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08. Three
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09. Theme
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10. Snowing
11. Retirement
12. Your Bliss
13. Overgrown Garden
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14. Heat
15. Natalie
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16. Greeting Visual
17. Miss Her
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18. Lullaby
19. West Coast
20. Memories
21. Waltz
22. Four
[ Bonus Tracks for Japan]
Live at The Goldfish, in October 2021
23. Cape Cod Cottage
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24. Three
25. Sleepwalk
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26. Ancestral Dance
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27. Fleurs
28. New Dreams
29. Music for Pot Smokers
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30. Memories
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31. Lullaby
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total playing time: 65:18
今回国内盤化されたCDには同年のライヴ音源(拍手は少しだけです)がボーナストラックとして9曲収録されています。