"Reflections"…それは水面に反射する光のよう。音楽は時間と切っても切れない関係ですが、本作はギターとピアノだけで揺蕩うような時の流れを作り上げているアルバムです。
演者と聴者との間に生まれるリフレクションはどんなものかと想像したくなるサウンド。昨今その潮流が見られる「アンビエント・アメリカーナ」(アメリカ音楽文化のルーツを総称するアメリカーナと、アンビエント・ミュージックの融合)的な気持ちよさは、ジョン・フェイヒィやジム・オルークなどの潮流にあり、先鋭的なベクトルと穏やかな湖や川の流れのような懐の深さを併せ持っています。
リモートで作り上げられたという『Let the Moon Be a Planet』。そのリリース直後のライヴであるDisc 2『Live in London』は、アルバムの要素を拡張させた瞑想的かつライヴならではの抑揚のある演奏。雨と休日的なおすすめはDisc 1ですが、Disc 2では生身のセッションであることを認識させられ違いを楽しむのも一興かと。
[ Disc 1 ]
"Let the Moon be a Planet"
01. Over the Dune
♪
02. Painterly
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03. Scattering
04. Basin
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05. Morning Mare
♪
06. Libration
07. Paper Limb
♪
08. Rhododendron
[ Disc 2 ]
"Live in London"
01. I
♪
02. II
♪
03. III
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04. IV
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05. V
total playing time: 43:59/37:32
Matador、Thrill Jockeyなどからもソロ作をリリースしているギタリスト/ソングライターのスティーヴ・ガンと、ミニマル・アンビエント・プロジェクトBing & Ruthのデヴィッド・ムーアによる2023年にリリースされたコラボレーション作『Let the Moon be a Planet』に、ロンドンのCafe OTOで行われたライヴ盤『Live in London』を加えた2CD仕様。タイトルに沿う文字が反転されたアートワークのアイデアも面白い。解説付き。