主に古典〜バロック時代以前に作られた楽器を古楽器、またはオリジナル楽器、ピリオド楽器などと呼びます。対して現代の楽器をモダン楽器と呼びます。古楽器は素材や構造が若干違い、音量が小さく、ヴィブラートを付けないなど奏法もモダン楽器と異なります。
古楽器の名手として知られるアンナー・ビルスマ。彼が取り組んだチェロ音楽の最高峰、バッハ「無伴奏」の、一回目の録音です。当時バッハが作曲した組曲が舞曲の形式を取り込んでいることに主眼を置き、この「無伴奏チェロ組曲」も舞曲らしいリズミカルな演奏を目指した録音。古楽器の若干ドライな響きが、曲の生き生きとした魅力を浮かび上がらせています。とはいえ、要所要所で聴かれる弓さばきは雄弁で、必ずしもテンポが速いだけの演奏ではありません。残響が多くとられた録音によって、軽快でありながら深い音色が味わえ、この組曲本来の魅力が宿ると思わせる好盤となっています。
バッハの指定とビルスマ独自の解釈により、第6番のみ5弦(通常のチェロよりさらに1本高域の弦を張ってある)のチェロ・ピッコロを使用。ビルスマへのインタビューを含む、30ページにおよぶ解説も読み応えあります。
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バッハ:無伴奏チェロ組曲聴き比べ
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750):
[ Disc 1 ]
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
01. I:Prelude
♪
02. II:Allemande
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03. III:Courrante
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04. IV:Sarabande
♪
05. V:Menuet 1 & 2
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06. VI:Gigue
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無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008
07. I:Prelude
08. II:Allemande
09. III:Courrante
10. IV:Sarabande
11. V:Menuet 1 & 2
12. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009
13. I:Prelude
14. II:Allemande
15. III:Courrante
16. IV:Sarabande
17. V:Bourree 1 & 2
18. VI:Gigue
[ Disc 2 ]
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV.1010
01. I:Prelude
02. II:Allemande
03. III:Courrante
04. IV:Sarabande
05. V:Bourree 1 & 2
06. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011
07. I:Prelude
08. II:Allemande
09. III:Courrante
10. IV:Sarabande
11. V:Gavotte 1 & 2
12. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV.1012 *
13. I:Prelude
14. II:Allemande
15. III:Courrante
16. IV:Sarabande
17. V:Gavotte 1 & 2
18. VI:Gigue
アンナー・ビルスマ(チェロ/チェロ・ピッコロ*)
録音:1979年
※1999年再発盤
※在庫限りの販売となります(2024/11/14)