混沌の現代において、美しいメロディを求めることは異なことか、そうでないか。答えはあらず。ただ美しいメロディがあり、そこからの景色を見るのみ。
ヴァレンティン・シルヴェストロフは1937年生まれのウクライナの作曲家。現代音楽において叙情性を求めた数少ない作曲家の一人です。その作風は一見、モーツァルトやシューベルト、ブラームスといったかつての名作曲家たちの作風を模しているように聞こえます。しかし敢えてそうすることによって、多くの人にとって耳慣れた「美しさ」から生み出される「懐かしさ」のような感情をもたらし、聴く者を記憶の彼方へと連れて行くのです。シルヴェストロフの入門用としてお薦めしたいこのピアノ作品集。女性ピアニスト、ブルーミナによる奥行きの深い演奏、そして収録曲の選曲の良さ(フォルテで力強く弾くのは03、06の2か所ほどしかありません)が光る録音です。
シルヴェストロフ(1937-):
Naive Musik 素朴な音楽 (1954-55, rev.1933)
01. No. 1. Waltz ワルツ
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02. No. 2. Nocturne 夜想曲
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03. No. 3. Fairy Tale おとぎ話
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04. No. 4. Idyll 牧歌
05. No. 5. Nocturne 夜想曲
06. No. 6. Prelude 前奏曲
07. No. 7. Waltz ワルツ
08. Der Bote (The Messenger) 使者 - version for piano (1996/97)
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2 Waltzes. Op. 153 2つのワルツ (2009)
09. No. 1. Allegro assai
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10. No. 2. Allegretto
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4 Pieces, Op. 2 4つの小品 (2006)
11. No. 1. Lullaby: Moderato 子守歌
12. No. 2. Pastorale: Vivace 田園曲
13. No. 3. Bagatelle: Moderato バガテル
14. No. 4. Postludium: Moderato 後奏曲
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2 Bagatelles, Op. 173 2つのバガテル (2011)
15. No. 1. Moderato
16. No. 2. Andantino
Kitschmusik キッチュ・ムジーク (1977)
17. I. Allegro vivace
18. II. Moderato
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19. III. Allegretto
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20. IV. Moderato
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21. V. Allegretto
エリザヴェータ・ブルーミナ(ピアノ)
録音:2011年
total playing time: 65:58
※2018年入荷分より帯デザインが画像とは異なったものとなっております。(画像2)