クラシックへの入門として、単一楽器作品の偉大なルーツとして、レコード文化の遺産として…。様々な意味であらゆる人にお勧めしたい作品が、この不世出のチェロ奏者、パブロ・カザルスの代表的録音です。カザルスは1876年カタルーニャ生まれ。スペインの戦乱の時代を生き、その境遇は決して恵まれたものではなかったと語られます。音楽家としてはもちろん、ノーベル平和賞の候補に挙がるなど、平和活動にも取り組んだのは、やはりカタルーニャ人としての誇りからでしょう。
多彩な表現を生み出すための、現代的なチェロの奏法を編み出したカザルス。それまで単なる練習曲と考えられていたこの「無伴奏」を芸術作品として扱った最初の人物であり、伴奏のための楽器と捉えられていたチェロをソロ楽器として確立させたその功績は、今もなお讃えられるべきもの。録音は古いですが、その響きの豊かさを感じ取ることができますし、何年経っても失せない演奏の説得力があります。
前奏曲と舞曲による構成はバロック時代の基本的な組曲形式。弦楽器のソロ作品は全てこの曲を模範としていると言っても過言ではありません。クラシックを好んで聴かない人にもこれだけは知って欲しい、そんな作品(演奏)です。「アルマンド」、「クーラント」といった各舞曲に特色があります。個人的には「サラバンド」をよく聴くのですが、貴方はどれがお好みでしょうか?カザルスの生涯を思い、じっくりと聴くのもよし、小さく流せば読書のお供としてもよし。文字数がいくらあっても足らない録音作品です。
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バッハ:無伴奏チェロ組曲聴き比べ
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750):
[ Disc 1 ]
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
01. I:Prelude
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02. II:Allemande
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03. III:Courrante
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04. IV:Sarabande
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05. V:Menuet 1 & 2
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06. VI:Gigue
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無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008
07. I:Prelude
08. II:Allemande
09. III:Courrante
10. IV:Sarabande
11. V:Menuet 1 & 2
12. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009
13. I:Prelude
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14. II:Allemande
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15. III:Courrante
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16. IV:Sarabande
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17. V:Bourree 1 & 2
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18. VI:Gigue
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[ Disc 2 ]
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV.1010
01. I:Prelude
02. II:Allemande
03. III:Courrante
04. IV:Sarabande
05. V:Bourree 1 & 2
06. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011
07. I:Prelude
08. II:Allemande
09. III:Courrante
10. IV:Sarabande
11. V:Gavotte 1 & 2
12. VI:Gigue
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV.1012
13. I:Prelude
14. II:Allemande
15. III:Courrante
16. IV:Sarabande
17. V:Gavotte 1 & 2
18. VI:Gigue
パブロ・カザルス(チェロ)
録音:1936〜1939年(モノラル録音)
total playing time: 56:46/72:34
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