1964年、若くしてフィンランドに渡った舘野泉。ヘルシンキに定住しフィンランド政府の終身芸術家給与を受けて演奏活動を続け、その瑞々しい感性によって北欧のクラシック音楽のレパートリーを日本に広く紹介してきた先駆者的ピアニストです。
本作は、EMIやFINLANDIAやといったレーベルに多くの録音を残していた舘野が、1988年にポニーキャニオンからリリースしたフィンランド名曲集(の再発盤)。「やはり私はフィンランドの土になるのだろう」とライナーで語るように、彼の演奏には現地の演奏家も認める説得力と表現力が宿っています。シベリウスは有名ですがピアノ曲を聴く機会は少ないでしょう。そして何より聴いて欲しいのはメリカントやパルムグレンの野に咲く花のような可憐さ。これらフィンランドの作曲家による作品は自然や自然の中の生活がモチーフになっているものがほとんど。素朴さ、そしてその中に潜む芯の通った力強さが魅力なのです。
[Disc 1]
シベリウス (1865-1957):
「樹の組曲」 作品75
01. 1 ピヒラヤの花咲く時
02. 2 孤独な松の木
03. 3 ポプラ
04. 4 白樺
05. 5 樅の木
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06. 故郷にて 作品74-4
07. ロマンス ハ長調 作品101-1
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08. キャプリス 作品24-3
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パルムグレン (1878-1951):
「3つの夜想的情景」 作品72
09. 1 星はまたたく
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10. 2 夜の歌
11. 3 曙
12. 粉雪 作品57-2
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13. ロマンス 作品73-1
カヤーヌス (1856-1933):
14. 小さなワルツ
カスキ (1885-1957):
15. 前奏曲 変ト長調 作品7-1
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メリカント (1868-1924):
16. ロマンス 作品12
17. 歌 作品92-1
18. 夏の夜のワルツ 作品1
ハンニカイネン (1892-1955):
19. 夕べに
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クーラ (1883-1918):
20. 羊飼いのポルカ
メラルティン (1875-1937):
21. 雨 作品52-4
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[Disc 2]
シベリウス:
01. 夢想 作品58-1
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02. 静かな西風 作品74-2
03. 村の教会 作品103-1
04. 即興曲 作品5-5
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05. ロマンス 変ニ長調 作品24-9
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06. ロマンティックな情景 作品101-5
パルムグレン:
07. 5月の夜 作品27-4
08. 夕べの歌 作品47-1
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09. 月の光 作品54-3
10. とんぼ 作品27-3
11. 海 作品17-2
メリカント:
12. 夏の夜の牧歌 作品16-2
13. 牧歌 作品73-1
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14. ゆるやかなワルツ
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カスキ:
15. 秋の朝 作品21-2
16. 古い時計台 作品48-2
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17. 夜の海辺にて 作品34-1
18. 激流 作品48-1
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クーラ:
19. 小さなガボット 作品3-3
20. 結婚行進曲 作品3-2
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舘野泉(ピアノ)
録音:1988年
total playing time: 60:25/56:51
*本作は1988年にリリースされた音源の2020年再発盤となります。ブックレットには舘野自身による楽曲解説を含む発売当時のライナーノーツが記載されています。