動があるからこそ静がある。その当たり前のことを音楽は教えてくれる。波のように押し寄せては引き返してゆくピアノの音。1987年製ハンブルク・スタインウェイモデルDが大きなうねりと深い余韻を生み出す。
「山頂なんて存在しないし、そこへ続く道もない。ただ、運が良ければ、時折ベルに触れることができるかもしれない――それだけなんです」とデヴィッド・ムーアは綴る。「graze the bell(ベルにかすかに触れる)」というタイトルにはそんな自然体の想いが込められている。演奏の癖、ピアノの癖、そして偶然性。それらを許容することで生まれるものとして、双極性障害と向き合う自分自身と家族に捧げ、道を照らす存在であるような願い。その純度の高さの音楽がそこにあると、僕たちはただただ美しいと言葉にするのみ。
01. Then a Valley
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02. Graze the Bell
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03. No Deeper
04. Offering
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05. Will We Be There
06. All This Has to Give
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07. Rush Creek
08. Being Flowers
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09. Pointe Nimbus (Bonus Track)
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total playing time: 47:41