「―――これは夢か夢じゃないかまだわからない」
ラスト曲「will」はゲスト参加した角銅真実の語りによるこの一文で終わる。
果ての知れない世界に放り込まれたような、
美術館に飾られた絵画のような、
映画のワンシーンのような、
あてどない思考の増殖。
…かと思えばとても親しみのあるメロディが心を撫でる。
それはどれも夜の病か。
小宇宙のような3rdソロ・アルバム。yatchiの音楽性がひとつ大きな飛躍を見せるアルバム。明確なメッセージがあるようで曖昧なようで。それは生活の風景に見え隠れする細やかなものでは、と思う。大切なものはいつも小さな姿で現れる。飄々としていながらその小さいひとつひとつを思いの外丁寧に紡ぎ出してくれるのがyatchiのピアノ音楽。
27曲。それぞれの場面。夜毎の夢日記のように。軽やかに、何処かへ連れていってくれる音楽です。
01. Requiem
02. morning indication
03. unshell
♪
04. a half read book
05. Ripples
06. censorship#1
♪
07. empty town
08. Shining rabbit
09. bleak things
10. Daydream
♪
11. pray
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12. Illusion
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13. Steadily proceed
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14. turbid time
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15. nostalgic
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16. return
♪
17. censorship#2
18. wish of the stars
19. happiness
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20. scale prelude
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21. Usual night
22. old movie
23. scenic beauty
24. Autumn rain
25. censorship#4
26. separation
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27. will
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total playing time: 63:30
当店でもロングセラーとなっている1st『metto piano』、誠光社からリリースされた2nd『第3区間ピアノ』(完売)に続き再び自主制作となる3rdアルバム。山内弘太(track15)、角銅真実&角銅きりん[猫](track27)参加。